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小関 隆久; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 14(5), p.056114_1 - 056114_12, 2007/05
被引用回数:4 パーセンタイル:15.02(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいてトロイダル磁場リップルの減少のためフェライト鋼を真空容器内へ装着し、高速イオン損失の減少によって閉じ込め性能の向上とその長時間維持が得られた。高速イオンの損失の減少によって電流と同方向の回転が増えエネルギー閉じ込めが改善し、また、プラズマ体積が大きいときの高速イオン粒子損失が減少したため、壁による安定化効果が増加し、理想MHD安定限界に近い高ベータプラズマが得られた。このとき抵抗性壁モードがアルフェン速度の0.3%程度の低い回転でも安定化できることを明らかにした。さらに、高閉じ込め状態を電流拡散時間の12倍まで延長することに成功し、ITERのハイブリッドシナリオの有力候補となることを示した。定常高ベータプラズマは、さまざまな物理要素が結合した状態になっており、その性能の統合化と自律的性質を持つプラズマの制御が大きな課題となっている。その解明に向けて、物理モデルの構築と統合化を進めており、周辺ペデスタル領域の統合モデルによってELMのシミュレーションを行い、エネルギー損失の衝突周波数依存性の機構を解明した。また、ダイバータ領域の統合化によって、粒子排気効率や放射損失特性について明らかにした。
Briguglio, S.*; Fogaccia, G.*; Vlad, G.*; Zonca, F.*; 篠原 孝司; 石川 正男; 武智 学
Physics of Plasmas, 14(5), p.055904_1 - 055904_10, 2007/05
被引用回数:42 パーセンタイル:79.43(Physics, Fluids & Plasmas)The results of particle-in-cell simulations of a negative neutral beam heated Alfvn-mode experiment in the JT-60U are presented. They seem to match quite well the dynamics of the abrupt large-amplitude event (ALE) experimentally observed in the reference JT-60U discharge. The time scale and frequency spread of the ALE are well reproduced too. The issue of the weaker Alfvn fluctuation phase following the ALEs, characterized by fast frequency sweeping modes, is also investigated and an interpretation of the full JT-60U bursting-mode phenomenology is presented. Finally, the simulation tool is exploited by ad hoc synthetic diagnostics on the fast ion distribution function to get a deeper insight into the ALE nonlinear dynamics. The underlying fast-growing energetic particle mode saturates as resonant energetic ions are scattered out of the resonance region and displaced outwards. The radially displaced ions resonate with outer Alfvn modes and enhance their local drive.
福田 祐仁; 赤羽 温; 青山 誠; 林 由紀雄; 本間 隆之; 井上 典洋*; 神門 正城; 金沢 修平; 桐山 博光; 近藤 修司; et al.
Physics Letters A, 363(2-3), p.130 - 135, 2007/02
高強度レーザー励起航跡場による電子加速は、レーザープラズマ加速器の原理検証や極短パルスX線源開発にとって重要な役割を果たしている。最近、準単色の電子発生が報告され注目を浴びているが、電子注入過程のコントロールによる準単色電子のエネルギー制御と安定化が今後の研究課題となっている。本研究では、強光子場中でのクラスター媒質を用いた電子加速実験を行い、レーザープラズマ加速におけるクラスターの役割について調べた。その結果、クラスター媒質を用いて初めて、指向性を有する相対論電子の発生に成功した(最大エネルギー=58MeV)。電子エネルギー分布は、温度の異なる2つの成分から構成されている。2D-PICシミュレーションによる解析から、高エネルギー成分を構成する電子は、レーザー光との相互作用によってクラスターから生成した電子が、レーザー光に注入され、その後、レーザー光によって直接加速されて生成したものであることが明らかとなった。
藤田 隆明; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 13(5), p.056112_1 - 056112_10, 2006/05
被引用回数:5 パーセンタイル:18.19(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおいては、加熱パワーの入射時間を10秒から30秒に伸長し、電流拡散時間を超え、壁飽和時間に近い時間スケールでのプラズマ特性の研究を開始した。負磁気シアプラズマにおいて、高自発電流割合75%を7.4秒間(電流拡散時間の2.7倍)維持した。電流分布及び圧力分布は定常状態に近づきつつあるが、プラズマ内部の周回電圧分布は一様ではなく定常に達するにはなお維持時間を伸長する必要がある。高プラズマ圧力Hモードにおいては、規格化ベータ値2.5を15.5秒間維持し、周回電圧分布が一様となる状態を実現した。後半において壁排気量の低減により周辺密度が上昇するとともに密度,温度分布が平坦に近づき閉じ込めが劣化し、壁排気の変化に伴う密度の制御が重要であることが明らかとなった。高密度放電を繰り返すことにより、壁の粒子吸蔵量が飽和し壁排気がゼロとなる状態をJT-60で初めて得た。スクレイプオフ層プラズマにおける粒子輸送の解析により、主プラズマ周りの第一壁が100秒程度の時定数で飽和していることを明らかにした。リップルを低減するためにフェライト鋼を真空容器内に設置するのに先立ってトロイダル磁場のリップルによる高速イオンの損失がHモードの境界輸送障壁に及ぼす影響を系統的に調べた。その結果から、2005年12月からのリップル低減後の実験では、プラズマ性能の向上が期待できる。
諫山 明彦; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 12(5), p.056117_1 - 056117_10, 2005/05
被引用回数:28 パーセンタイル:65.6(Physics, Fluids & Plasmas)経済的な核融合炉を実現するためには高ベータプラズマを定常的に維持することが不可欠であり、そのためにはMHD不安定性を抑制することが重要である。JT-60では高Hモードプラズマ及び負磁気シアプラズマの高ベータ定常化研究を行い、以下の結果を得た。(a)高Hモードプラズマにおいて高ベータ化を阻害する新古典テアリング不安定性(NTM)の発生を圧力分布・電流分布の最適化で回避することによりを約6秒間維持することに成功した,(b)電子サイクロトロン波を入射してNTMを安定化することによりプラズマ性能を回復し、(, )を維持することに成功した,(c)負磁気シアプラズマでは,,自発電流割合75%の状態を7.4秒間維持することに成功した。負磁気シアプラズマではコラプスの発生により定常維持が阻害されるが、プラズマの回転の制御が定常維持に成功した要因の1つとして考えられる。さらに、JT-60では2003年に電源・加熱・計測等の改修を行い、65秒間の放電が可能となった。2004年前半の運転では、ITERの標準運転と同程度の規格化ベータ値()のプラズマを電流拡散時間の2倍以上に相当する24秒間維持することに世界で初めて成功した。この間、閉じ込め性能の大幅な劣化を引き起こす不安定性は発生しておらず、ほぼ一定の電流分布が維持されている。
三浦 幸俊; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 10(5), p.1809 - 1815, 2003/05
被引用回数:10 パーセンタイル:31.59(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60では、高pHモードと負磁気シアプラズマにより、高閉じ込め,高自発電流割合の先進トカマク研究を推進している。その研究のゴールは、輸送障壁の形成あるいはその特性のパラメータ依存性を明らかにして一般化すると同時に、さらに閉じ込めを改善し安定に維持することである。境界輸送障壁の研究では、コア部が境界に影響して境界圧力を2倍以上にすることができること、内部輸送障壁の研究では、電流分布に応じて径電場シアによりその形成条件が異なることなどの研究結果を報告する。また、負磁気シアプラズマの極限状態では、平衡状態を保つために必要と考えられていたプラズマ電流がプラズマ中心近傍に存在しない状態(電流ホール)が安定に存在しうることに関して報告する。
久保 博孝; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 9(5), p.2127 - 2133, 2002/05
被引用回数:18 パーセンタイル:50.76(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uでは、不純物入射,ペレット入射を用いた不純物,重水素粒子の制御によって、閉じ込め改善流域を高密度,高放射損失,高プラズマ純度に向けて拡張する研究を進めている。通常のダイバータ配位のELMy Hモードでは、Ar入射によって高密度領域(0.65n)で高放射損失(80%),高閉じ込め(HH=1)を得た。ELMy Hモードでは輸送障壁の内側でイオン温度分布形状が変わらないという性質が有り、Ar入射の場合には輸送障壁部のイオン温度を高く維持できるため、閉じ込め改善度を維持できると考えられる。Arと重水素のリサイクリングを増加するために外側セパラトリックスをダイバータドームの頂上においた放電では、さらに高密度(0.8n)まで閉じ込め改善を維持できた。また、高ELMy Hモードでは、ペレット入射によって高閉じ込めの密度領域を0.6nから0.7nまで拡張できた。
竹永 秀信; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 8(5), p.2217 - 2223, 2001/05
被引用回数:44 パーセンタイル:76.85(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおける粒子制御に関する研究の中から、連続入射ペレットによる高閉じ込めプラズマの高密度化、不純物輸送、高リサイクリングダイバータでのヘリウム灰排気・不純物低減について報告する。高磁場側入射ペレットを用いて、グリーンワルド密度の70%において、Hファクター~2を達成した(ペレット無しでは、60%が限界)。ペレット入射特性の解析より、EBドリフト効果によるペレット粒子の大半径方向への移動に関する理論モデルと実験結果が一致することを示した。数種の不純物に対して輸送係数を評価し、負磁気シアプラズマの内部輸送障壁部の輸送係数は、新古典理論値に近く、高pプラズマ及びELMy Hモードでの輸送係数は、乱流理論値に近いことを示した。ダイバータを高リサイクリング状態にすることにより、負磁気シアプラズマにおいて効率的なヘリウム灰排気及び不純物の低減を実現した。しかしながら、同時に閉じ込め性能も劣化しており、高リサイクリングと高閉じ込めとの両立が今後の課題である。
井手 俊介; JT-60チーム
Physics of Plasmas, 7(5), p.1927 - 1934, 2000/05
被引用回数:21 パーセンタイル:54.4(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおける定常化研究の最近の成果について発表を行う。主な内容を以下に示す。(1)負磁気シアプラズマにおいて、放電の最適化を行い等価核融合出力ゲイン0.5を約0.8秒間維持した。(2)負磁気シアプラズマにおいて、自発電流の割合を70%程度にまで高くすることにより高閉じ込め状態を非誘導電流駆動割合約90%で約2秒間維持することに成功した。(3)不純物入射により、高密度領域での閉じ込め性能改善実験結果。(4)負磁気シアプラズマにおける内部輸送障壁の形成条件やトロイダル回転の内部輸送障壁に与える影響等の基礎物理研究結果。
新美 大伸*; 小川 俊英; 小川 宏明; 福本 直之*; 木村 晴行; 三浦 幸俊; 柴田 孝俊; 永田 正義*; 谷津 茂男*; 宇山 忠男*; et al.
Proceedings of 2000 International Congress on Plasma Physics (ICPP 2000), Vol.3, p.768 - 771, 2000/00
CT入射時の磁気揺動解析により波動を同定することは、CTの挙動やトカマクプラズマ中に誘起される不安定性等を理解するうえで重要である。そこで真空磁場中及びトカマクプラズマ中にCTを入射した時に得られた磁気揺動に対して時間-周波数解析を行った。その結果、真空磁場中へ入射した場合及びCTが深く侵入していない場合では入射直後に100kHz程度のスペクトルが得られ、それが急速に減衰するのに対し、CTが深く侵入した場合には、緩やかにチャーピングする周波数変化が得られ、その周波数はコネクションレングスに対応した波長を持つアルヴェン波に近い値を示した。
三枝 幹雄*; 金澤 貞善; 小川 俊英; 井戸 毅*; 川島 寿人; 菊池 一夫; 福山 淳*; 神谷 健作; JFT-2Mチーム
Proceedings of 2000 International Congress on Plasma Physics (ICPP 2000), Vol.3, p.844 - 847, 2000/00
トロイダルプラズマ電流駆動方式として有望な速波電流駆動方式の物理的研究をJFT-2Mにおいて行った。従来は電流が駆動されたか否かをマクロにループ電圧の減少、モーショナルシュタルク効果による電流分布解析を用いて行っていたが、より詳細な波動物理の研究を可能とするため、直接トカマクプラズマ中の高周波電界分布を測定する新しい方法を提案し、実験,理論及び数値計算により実証を行った。具体的な方法としては2つの周波数の速波を同じアンテナから励起し、そのビート波により生じるポンデロモーティブポテンシャルの振幅分布を、重イオンビームプローブで測定した結果、Full waveコードの計算結果とほぼ一致することを確認した。
細金 延幸
Phys. Fluids B, 5(7), p.2412 - 2419, 1993/07
被引用回数:10 パーセンタイル:38.4(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uにおける、Hモードと高ベータ・ポロイダルプラズマの特性について、電流分布、圧力分布、鋸歯状振動との関連において示す。閉じ込め改善において得られた主要パラメータは、T(0)=38keV、n(0)T(0)~4.410cmsec keV、H係数(=/ )は3であった。Hモードにおいては、B=4.2Tにおいてn(0)T(0)~2.510msec keVを得た。高安全係数の利点が、運転領域とダイバータの研究において得られた。すなわち、高いn実効安全係数は、ダイバータ板への熱流束の低減と、粒子リサイクリングの低減に有効である。
Peterson, B. J.*; Alekseyev, A. G.*; 木島 滋; 芦川 直子*; Parchamy, H.*; 笹尾 真実子*; 三浦 幸俊
no journal, ,
プラズマの放射する広い波長範囲の電磁波や高エネルギー粒子のエネルギーを薄膜で吸収することがイメージング・ボロメータの基本原理である。エネルギー吸収の結果発生した薄膜の温度変化を真空容器の外に設けた赤外線カメラによって測定する。核融合炉に必要な放射損失や損失粒子計測への適用を目指してイメージング・ボロメータの開発を行っている。放射損失計測の場合、ピンホールカメラの背後に置いた薄膜には放射損失分布の二次元画像が映し出される。損失粒子の計測の場合には、薄膜の一方向で多重膜の厚さを変化させてエネルギーの弁別を行い、残る一方向でピッチ角の分解を行う。大型ヘリカル装置及びJT-60Uトカマクにおけるイメージング・ボロメータ計測,較正実験,イオンビーム装置を用いた損失粒子計測検出部の予備実験、及びITER用イメージング・ボロメータと損失粒子計測の設計などを中心に報告する。
相羽 信行; 徳田 伸二; 石澤 朋子*; 小関 隆久
no journal, ,
本研究は、線形理想MHD安定性解析コードMARG2Dの開発と、このコードを用いたJT-60Uプラズマの安定性評価を行うことを目的に進めている。今回の会議では、MARG2Dコードの上下非対称化に伴ってJT-60Uプラズマにおける理想MHDモードに関する実験解析が可能になったこと、及びその解析の例としてエッジローカライズモード(ELM)と呼ばれる現象に関係したMHDモード(ピーリング・バルーニングモード)の安定性を評価したことを報告する。この解析結果は、現段階では十分実験結果を再現しているとはいえないが、その原因の解明を含めた詳細な実験結果の解析は今後進めていく。また、MARG2Dの基づく物理モデルには漸近接続法による物理モデルの拡張が容易であるという利点がある。漸近接続法を用いると、理想MHDモデルからのずれが安定性に大きな影響を与える領域である有理面近傍(内部層)とそれ以外の領域(外部層)を、それぞれ別の方程式に従うとして取り扱うことができ、このうちの内部層に関する方程式を変えるだけで物理モデルを拡張できる。MARG2Dは同方法によるモデルの拡張を実現すべく開発を進めており、現段階では外部層を取り扱う方程式を数値的に解き、また内部層方程式を解く際に必要な境界条件(接続データ)の計算が可能である。この接続データの計算に関する詳細も上記のELMに関する結果と併せて報告する。
石井 康友; 安積 正史; Smolyakov, A. I.*
no journal, ,
本研究では、トカマクプラズマの性能劣化を引き起こす磁気島形成の機構を、プラズマ中の流れを考慮して、数値シミュレーションにより調べた。トカマクプラズマでは磁気島形成を引き起こすティアリング不安定性に対して、独立状態では安定と考えられる磁気面において磁気島が形成される現象が観測されている。このような安定な磁気面での磁気島形成は、外部摂動に起因すると考えられているが、その全体的な描像は未解明である。本研究では数値シミュレーションにより、現実のトカマク放電のパラメータ領域近傍では、磁気島の急激な成長を引き起こす臨界値が抵抗値には依存するが、粘性値にはほぼ依存しないことを明らかにした。また、流れのあるプラズマ中でのこのような磁気島の成長には、散逸依存領域と散逸非依存領域が存在することを見いだし、高温プラズマでは散逸依存領域が支配的となる可能性を示した。この結果は、実験計測と理論予測を比較する際に重要となる。
影井 康弘; 岸本 泰明; 三好 隆博*
no journal, ,
本講演では、数値トカマク実験(NEXT)計画の下で新たに開発された「有限体積/スペクトル法」に基づく非線形トロイダルシミュレーションコードについて、その解析手法を示すとともに、当コードを用いて行った高ベータトカマクプラズマの圧縮性MHDシミュレーションの結果について報告する。特に、エネルギーソースやスケールの異なる低n電流駆動モード(内部キンクモード)と高n圧力駆動モード(バルーニングモード)の両者に対して線形不安定であるようなプラズマについて、言わば「マルチスケールシミュレーション」を実行し、高ベータトカマクプラズマの巨視的な低n電流駆動モードの微視的な高n圧力駆動モードとの相互作用に関して、その非線形ダイナミクスを明らかにした。
影井 康弘; 岸本 泰明; 三好 隆博*; 武智 学
no journal, ,
プラズマ理論シミュレーショングループでは、数値トカマク実験(NEXT)計画の一環として、トカマクプラズマの磁気流体(MHD)現象の非線形ダイナミクスの解明と予測・制御を目指した3次元full-MHDシミュレーションコードの開発を進めている。本講演では、われわれが開発した有限体積-擬スペクトル法MHDコード(MHFVSPコード)を、従来の固定境界問題から実環境下の自由境界問題へ拡張するための計算モデルの改善について述べ、そのようなモデルを実装した新しいコードを用いて行った自由境界シミュレーションの結果を議論する。
余語 覚文; 大道 博行; 森 道昭; 匂坂 明人; 小倉 浩一; 織茂 聡; 桐山 博光; Pirozhkov, A. S.; 金沢 修平; 中井 善基; et al.
no journal, ,
高強度短パルスレーザー-薄膜相互作用における、高速イオン発生のオンライン・リアルタイム測定評価について報告する。発生した高速プロトンは飛行時間法(TOF)分析装置によって測定した。加速器イオンビームを用いてTOF分析装置のエネルギー校正を行い、プロトンのエネルギー分布スペクトルを、レーザーショットごとにリアルタイムで測定することに成功した。集光強度が10 W/cmの短パルスレーザー照射により発生したMeVエネルギーのプロトンのカットオフエネルギー・及びレーザーからプロトンへのエネルギー変換効率が、レーザープリパルスの強度に強く依存する結果が得られたので報告する。
栗田 源一; Bialek, J.*; 藤田 隆明; 玉井 広史; 松川 誠; 松永 剛; 武智 学; 津田 孝; 小関 隆久; Navratil, G. A.*; et al.
no journal, ,
JT-60SAは、現在EUとの共同でJAEAにおいて設計が行われているトカマク装置である。JT-60SAの主な目的の一つは、高規格化ベータ値、3.55.5の定常プラズマを実現することである。以前の解析では、有限抵抗の安定化構造物と能動的フィードバック制御の効果によって得られる限界規格化ベータ値は、3.8であった。この限界ベータ値は、理想安定化構造物を使った場合の限界ベータ値、5.5に比べて非常に低い値で、このことが低い Cの値とフィードバック制御の低効率となっている。このフィードバック制御の低効率に打ち勝つために、われわれは、安定化構造物とフィードバック・コイルの新しい配位を考案した。解析は、JT-60SA プラズマの輸送解析を含んだ新しい平衡に対してコロンビア大学で開発された VALENコードを用いて行われている。また、JAEA で開発されたAEOLUS-FTコードを使ったJT-60Uトカマクにおける電流駆動と圧力駆動RWMの実験データ解析の結果についても発表する。
石井 康友; 安積 正史; Smolyakov, A. I.*
no journal, ,
本研究は、トカマクプラズマの高性能化を阻害する主要な原因の1つと考えられている新古典磁気島(NTM)の発生及び成長機構に関する理論・シミュレーション研究である。NTMに関するこれまでの理論・シミュレーションでは、NTMのもとになる種磁気島の発生臨界値やRutherford型成長を仮定した場合の成長過程の研究が中心であった。本研究では、プラズマ回転を考慮した、高温プラズマに対応したパラメータ領域での種磁気島の生成シミュレーションを行うことにより、種磁気島がこれまでの理論予測とは異なった成長過程を経ることを見いだした。新たに見いだされた成長過程では、エネルギー的に安定なティアリングモードにおける2次的磁気再結合機構の存在が明らかになった。このような、流れのあるプラズマ中での2次的磁気再結合機構は、太陽フレアや実験室プラズマで観測される突発的エネルギー放出過程でも重要な研究課題となっている。